能楽が古くより大切に伝えてきた「翁」は、世界と未来を言祝ぐ特別な演目です。そして、いまでは能といえば屋内に建てられた能楽堂をイメージしますが、本来、能楽は屋外で上演されるものでした。
屋外で舞われた原初の「翁」は、風にそよぐ木々の音や、せせらぐ水、鳥や虫の声、たえまなく変化する陽の光や天候とともにあったのです。
屋外での演能を通して「翁」の源流にふれていただくことができればと思います。
熊本・喜多流
特別公演 能楽「翁」
友枝昭世
各流派それぞれに特別な場所で、翁が自然とともにあらわれる
能の主役はシテとよばれますが、シテをつとめるシテ方には、観世流・宝生流・金春流・金剛流・喜多流の5流派があります。いずれの流派にも「翁」がありますが、謡の詞章や所作の型などに少しずつ違いがあります。
翁プロジェクトでは、この5流派それぞれの「翁」を、各流派にゆかりのある土地や場所にて開催します。
また、かつてのような自然との結びつきを忘れがちな今日において、屋外での体験をより濃密なものとすべく、会場には、いけばなや建築を軸に様々な空間造形を手がける辻雄貴氏による特別なしつらえが施されます。
各流派と、土地や季節、しつらえとの一期一会の出会いによって、翁プロジェクトの「翁」公演はさまざまな姿をみせます。ぜひお楽しみください。
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